はじめに
河津町は、温泉・花などを活かした観光施策、農業など地場産業の振興により、活力
あるまちづくりを進めてまいりました。
近年、人口減少や少子高齢化の進行、観光業や農業の低迷など、町を取り巻く環境は
厳しさを増しております。また、事業が動き始めた伊豆縦貫自動車道の整備により、町
の社会・経済環境は今後大きく変化するものと考えており、このような多岐多様にわた
る課題に的確に対応しながら、まちづくりを進めていく必要があります。
町では、河津町第4次総合計画に掲げる町の将来像『人と地域、自然と文化“夢あふ
れるまち河津”』の実現に向け、都市づくりを進める上での基本的な指針である河津町
都市計画マスタープランを策定いたしました。
今後は、本計画のまちづくりの目標に掲げた『多彩なふるさとの魅力・表情が楽しめ、
みんなが笑顔になる心癒されるまち 河津』の実現に向け、町民の皆様の積極的なご参
加とご協力をいただきながら、計画的なまちづくりに取り組んでまいりたいと考えてお
ります。
結びに、本計画の策定にあたりまして、会議等で貴重なご意見、ご提言をいただきま
した皆様に心から御礼を申しあげます。
平成25年12月
~ 目
次 ~
序章
計画策定にあたって
1
都市計画マスタープランの概要
...
1
(1)都市計画マスタープランとは ... 1 (2)都市計画マスタープランの位置づけ・役割 ... 1 (3)都市計画マスタープランの目標年次 ... 2 (4)都市計画マスタープランの対象区域 ... 2 (5)都市計画マスタープランの構成 ... 3
2
都市計画マスタープラン策定の基本的な考え方
...
4
1章
まちの現況・課題
1
まちの状況・特性
...
5
(1)位置・地形 ... 5
(2)人口・世帯 ... 6
(3)産業 ... 7
(4)まちの特性・魅力 ... 8
(5)まちの都市計画 ... 10
2
まちづくりの主要な課題
...
13
2章
全体構想
1
まちづくりの基本的な考え方
...
18
2
まちづくりの目標
...
19
(1)目標とする町の姿 ... 19
(2)まちづくりの基本目標 ... 20
(3)将来人口の見通し ... 21
3
将来のまちの構造
...
22
4
まちづくりの方針
...
26
(1)土地利用に関する方針 ... 27
(2)道路・交通に関する方針 ... 31
(3)公園・緑地に関する方針 ... 37
(4)その他の都市施設に関する方針 ... 41
(5)防災に関する方針 ... 44
(6)景観に関する方針 ... 49
(7)環境に関する方針 ... 53
3章
地域別構想
1
地域区分
...
63
2
まちなか地域
...
64
(1)地域を取り巻く環境 ... 64
(2)地域づくりの目標 ... 68
(3)地域づくりの方針 ... 69
(4)地域づくりのための協働のあり方 ... 78
3
北部地域
...
80
(1)地域を取り巻く環境 ... 80
(2)地域づくりの目標 ... 84
(3)地域づくりの方針 ... 85
(4)地域づくりのための協働のあり方 ... 92
4
東部地域
...
94
(1)地域を取り巻く環境 ... 94
(2)地域づくりの目標 ... 98
(3)地域づくりの方針 ... 99
(4)地域づくりのための協働のあり方 ... 106
5
南部地域
...
108
(1)地域を取り巻く環境 ... 108
(2)地域づくりの目標 ... 112
(3)地域づくりの方針 ... 113
(4)地域づくりのための協働のあり方 ... 119
4章
まちづくりの推進、実現のために
1
現行都市計画の検証やまちづくりに関する各種制度等の活用
...
120
2
効率的・効果的な事業、施策の展開
...
121
3
まちづくりの推進体制の充実
...
122
参考資料
(1)策定経過・策定体制... 1231
1
都市計画マスタ
ープラ
ンの概要
( 1
) 都市計画マスタ
ープラ
ン
と
は
都市計画マスタープランとは、都市計画法第18条の2に規定された「市町村の都市計画
に関する基本的な方針」のことです。
町の都市計画、まちづくりに関する最も基本的な計画となるもので、町の目指すべき将来
像や土地利用、道路、公園などの分野ごとの基本的な指針を示すものです。
都市計画マスタープランの策定後は、計画に基づいて町の都市計画やまちづくりを進めて
いくことになります。
( 2
) 都市計画マスタ
ープラ
ン
の位置づけ・
役割
都市計画マスタープランは、「市町村の建設に関する基本構想(総合計画、国土利用計画)」
及び、県が策定する「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」に即して策定すること
となっています。
河津町では、平成22年度に策定しました「河津町第4次総合計画」及び「河津都市計画区
域の整備、開発及び保全の方針」がこれにあたり、両計画に即して都市計画マスタープラ
ンを策定しています。
策定された都市計画マスタープランは、個別の分野別計画の策定の際の指針としての役割、
また、個別の都市計画(用途地域等の地域地区、都市施設、市街地開発事業、地区計画等)
の決定・変更や都市づくりに関する各種事業・取り組みを実施する際の根拠としての役割
を担います。
河津町第4次総合計画
国土利用計画
河津町
都市計画マスタ
ープラン
県が定めるもの 町が定めるもの
町が定める都市
計画の決定・変更
各種都市計画
事業等の実施
河
津
都
市
計
画
区
域
の
整
備
、
開
発
及
び
保
全
の
方
針
︵
都
市
計
画
区
域
マ
ス
タ
ー
プ
ラ
ン
︶
即する
即する
県が定める都市
計画の決定・変更
即
す
る
即
す
る
即
す
る
個別の分野別計画
整
合
・
反
2
( 3
) 都市計画マスタ
ープラ
ン
の目標年次
平成22年(国勢調査)を基準年として、
概ね 20 年後の平成 42 年を目標年次
とします。なお、将来の社会経済情勢の変化や上位計画の見直しなどに応じて、適切な検討を加え、
見直しを行うものとします。
( 4
)
都市計画マスタ
ープラ
ン
の対象区域
都市計画マスタープランは、都市計画に関する基本的な方針を示す計画であること、また
河津町の都市計画区域外は急峻な地形で、ほとんどが森林で占められていることなどから、
都市計画区域(
2 ,57 0 ha)
を対象区域
とします。(なお、必要に応じて都市計画区域に近接3
( 5
)
都市計画マスタ
ープラ
ン
の構成
都市計画マスタープランは、計画対象区域全体の都市づくりの方向性を示す「全体構想」
と地域ごとに個々の特性や課題に応じた地域づくりの方向性を示す「地域別構想」により
構成します。
序章
計画策定にあたっ
て
1都市計画マスタープランの概要
2都市計画マスタープラン策定の基本的な考え方
1
章
ま
ちの現況・
課題
1まちの現況・特性
2まちづくりの主要な課題
2
章
全体構想
1まちづくりの基本的な考え方
2まちづくりの目標
3将来のまちの構造
4まちづくりの方針
( 1) 土地利用に関する方針
( 2) 道路・交通に関する方針
( 3) 公園・緑地に関する方針
( 4) その他の都市施設に関する方針
( 5) 防災に関する方針
( 6) 景観に関する方針
( 7) 環境に関する方針
5重点まちづくり戦略
3
章
地域別構想
1地域区分
2まちなか地域
( 1) 地域を取り巻く環境
( 2) 地域づくりの目標
( 3) 地域づくりの方針
( 4) 地域づくりのための協働のあり方
※ ( 1) ∼( 4) は全ての地域共通
3北部地域
4東部地域
5南部地域
4
章
まちづく
り
の推進、
実現のために
1現行都市計画の検証やまちづくりに関する各種制度等の活用
2効率的・効果的な事業、施策の展開
4
2
都市計画マスタ
ープラン策定の基本的な考え方
○
これからの町の都市計画・まちづくりの新たなスタートとなる計画
これまで河津町では、土地利用の基本となる用途地域の指定や都市計画道路などの都市施設
の整備、土地区画整理事業などにより、計画的に都市づくりを進めてきました。
しかし、人口減少社会などの社会情勢の変化により、これまでの都市計画が町の現状やこれ
からの見通しに合わなくなってきているものもみられます。また、地球温暖化対策や地震・津
波等の自然災害に対する新たな都市づくりの課題への対応も必要となっています。
本計画では、これまでの都市計画・まちづくりの見直しを含め、これからの町の都市計画・
まちづくりの新たなスタートとなる計画とします。
○
町を取り巻く厳しい環境や課題を踏まえた中で、
町の実情にあった実用性・実効性の高い計画
人口減少、高齢化の進行、観光、農林漁業の低迷などから、まちの財政状況は更に厳しさを
増し、これまで以上に公共投資に対する制約が大きくなることが予測される中、限られた財源
の中でより効率的・効果的に都市づくりを進めていくことが求められます。
本計画では、選択と集中による財源の効率的・効果的な運用、これまで整備してきた道路な
どの都市基盤ストックの活用、町民や民間の力の活用といった視点から、河津町にあった実用
性・実効性の高い計画とします。
○
協働のまちづくりを推進するための計画
多様化する町民ニーズに対応し、町民の目線に立ったまちづくり、各地域の個性や魅力を生
かした地域づくりを進めるためには、これまでのように行政だけで進めるのには限界があり、
行政と町民や企業等が役割分担を確認しながら、連携・協力していくことが不可欠と考えます。
本計画では、行政・町民・企業等が共有できるまちづくりの目標や将来都市像を示すととも
に、その実現に向け、行政だけでなく町民・企業等もまちづくりの担い手として、協働のまち
づくりを推進するための計画とします。
○
町民の暮らしの場としてだけでなく、観光のまちとしてのまちづくりを推進する計画
本来、都市計画マスタープランは、町民の安心で安全な暮らし、便利で快適な暮らしを実現
するための都市計画・まちづくりの方針を示すものです。しかし、河津町は豊かな自然環境や
温泉、河津桜などを生かした観光地として発展してきた歴史があり、今後も観光のまちとして
のまちづくりを展開していくことが重要であると考えます。
本計画では、町民の生活の場としての安全性や快適性、利便性の向上はもとより、観光のま
ちとして多くの人が訪れたくなるまちづくり、河津らしさを生かした魅力づくりといった視点
から、町民の暮らしの場としてだけでなく、観光のまちとしてのまちづくりを推進するための